Vの歌を聴け

「完璧な投資などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

ニーサンとの別れ(1)

僕には少し年の離れた兄がいる。いや、「兄がいた」という方が実情としては正しいのかもしれない。 昔々、僕がまだ小さい頃、兄は僕に何度も「魔法」を見せてくれた。 僕らの家は決して貧しいわけでは無かったが、両親は共働きだっが。家の中に常におやつが…

心がしんどい

含み損が、膨らむ。誰も、助けてはくれない。 もう、残高は見ないことにした。 僕は、GE坊やと、この気持ちを分かち合いたくて、このブログを始めた。けれども、坊やはどこかに去ってしまった。 爆損を抱えながら、それについてブログを綴るという行為は本当…

ちよこの帝国

昔々、大学の同じゼミに、おしゃべりが大好きな、ちよ子という女の子がいた。 ちよ子は、その古風な名前にはまるっきりそぐわないほどに垢抜けた、いや、いささか派手な女の子だった。髪はかなり明るめのブラウンで、瞳はこぼれ落ちそうなくらいに大きく、小…

S&P500ETFを毎日

凍てつく寒さから身を守るために暫くのあいだ眠りについていた、小さな動物や虫たちを、優しく暖め、地表へと誘う、穏やかな春は長くは続くかない。僕らが、少し寝過ごしたくまのように穏やかな気持ちで、春の日差しを存分に浴び、新しい季節に心躍らせてい…

TENGAよ、君もか。

下らない文章を書き始めたのと少し前後して、周りの人たち(君たちのことだ)に勧められるがままに、アフィリナンチャラ、とか言うものにも挑戦してみている。試行錯誤しながら、広告主に、広告掲載の可否について申請をし、承認が得られたら、広告を貼るこ…

Vの不在

ナイトテーブルの上では、ATAOの長財布が、ラブホテルの少し安っぽい光を受けて、ステンドグラスのように煌めいている。 それは、僕が彼女の37回目の誕生日に、プレゼントとして送ったものだ。 「これじゃ、小銭がほとんど入らないじゃない」「1万円札が何枚…

ペニスとポートフォリオとの相関性について

2018/07/19 経済学とセックスを結び付けて思索する学者は決して少なくない。 世代内の経済的格差は「将来の経済的自由」の損失を惹起しかねない「奔放なセックス」を抑止する傾向にある、という者もいれば、比較的貧しく娯楽に乏しい経済・文化圏ではセック…

既に誰かに抱かれている女の子に思いを馳せる

日本時間の6月7日23時55分に、ニューヨーク証券取引所で、VISAが171.42ドルの値をつけ、高値を更新した。 非保有銘柄が高値を更新する、というのは、長い間密やかに恋い焦がれている素敵な女の子が、僕以外の男性と幸せそうに手を握りながら、目の前を通り過…

アフィリエイトについての考察

見ず知らずの誰かからの手紙は、いつだって僕を混乱させる。それはまるで、できたてのペペロンチーノのてっぺんにそっと添えられた梅干しのように、調和と一致を乱し、不安を掻き立てる。 不安、それは、対象の不明瞭な恐怖である。 それは、こんな便りだっ…

誰かの叫びが聴こえる

僕はいつも、夜は22時にはベッドに潜り込むことにしている。それ以上、夜更かしをすると、次の日の仕事のパフォーマンスが低下することを、よく理解しているからだ。 昨日も、いつものように、ヤフーファイナンスでひととおりのニュースを確認した後で、ベッ…

投資家は歩く

「課長、もしかして、歩いて出勤してるんですか?」 若い女性社員がまるで、夏休みに海に遊びに行って磯の石をひっくり返したら、気持ちの悪い虫を見つけたんです、とでも言いだしそうな顔付きで、そう僕に尋ねる。 「そうなんだよ、株の含み損が酷くてね。…

春の訪れ

そうだ、株を買おう。 僕が初めてそう思ったのは、今からちょうど2年前、僕が人生で3度目のディズニーランド訪問を果たした年の春のことだった。 完璧なまでの幻想に象られた、小ぎれいなネズミたち、おとぎ話の王女、チップとデール…彼らが招き入れた夢の国…